特派員コラム⑫
春本番!
春といえば、桜ですよね。 桜は、約1200年前につくられた万葉集でも詠まれているほど古くから日本で愛され続けてきた花です。日本国内では100種以上が自生しており、園芸品種は200種以上もあると言われています。
ところで、桜は意外にも住宅のシンボルツリーに用いられる事が少ないことをご存知ですか?桜が庭木に選ばれづらいのには色々な理由がありますが、一番はその「生命力」です。
桜は生長が早く、樹齢の長い丈夫な木です。苗木を植えた五年後には大木となってしまいます。根も強く、家の基礎を壊す恐れがあるため、油断なりません。また、落葉樹である桜は、大量の落ち葉掃除が必要となることも忘れてはいけません。
このように、桜はキレイな花を咲かす反面、その維持には並々ならぬ手間暇がかかってしまうので、庭木にはあまり向かないのです。
日本ではどこにでも生えている印象のある桜ですが、桜に掛かる手間暇を考えると、気軽に見られる環境に感謝しなくてはいけませんね。
「家と樹木」には、縁起や季節に関係した数多くの言い伝えがあり、わたしたちの生活とは切っても切れない関係にあります。そんな関係に想いを馳せながら、植栽や家庭菜園計画をしていくことも、一戸建の楽しみの一つですね。
「家庭」という字は、家に庭と書きます。家に住む人間も、庭にある木や花も、共に季節を感じながら歳を重ね、互いに成長を見守りあう関係にあるのでしょうね。
カナスム特派員