【取材記事】
理想の家が形になる プロに聞く設計プランづくりの意義
神奈川新聞社が運営する住宅情報サイト「カナスム」では、大手住宅メーカー8社が設計プランを作成し、それぞれ比較検討できるサービスを展開している。住まいづくりの核となる設計プランとはどのように作られているのか。プロに話を聞いた。
積水ハウス神奈川東支店の設計長、古郡剛さんは、同社に在籍する一級建築士約2900人のうち、独自の厳しい審査を突破した279人(2020年4月1日時点)の「チーフアーキテクト」の一人。設計にとどまらず、内装や外観デザインの担当者をまとめてプロジェクトを指揮するリーダーの役割も担う。
「単に間取りを提案するだけが設計プランではない」と古郡さんは考える。家づくりをスタートするとき、ほとんどの人は理想の住まいのイメージが漠然としている。そのイメージを具現化し、「お客様が腑に落ちる選択をできるようにする」こと。それがプラン作成の意義だ。
そのために古郡さんが大事にしているのは、実際の住まいや暮らし方を目で見ること。「お客様のご自宅に伺うと、好きなテイストや大切なものを肌で感じられます。一方で、モノがあふれていたり、納まっていなかったりといった部分も垣間見ることができます」
そうして得た情報と敷地の環境などを併せて検討し、プラン作成を進めていく。古郡さんにとってこれは「気づきを得る」作業だという。さまざまな条件や要望をひもとき整理することで、お客様が本当に求めていることに気づく。そのニーズに優先順位をつけ、敷地の個性を踏まえて「核となるコンセプト」を示すことができれば、満足度の高い家づくりにつながる。
プラン作りはすべてゼロからのスタート。「生みの苦しみもあるが、決して妥協しないのがチーフアーキテクト」と古郡さん。「実用性とデザインのバランスにこだわり、丁寧に向き合うことでどんな問題にも解決策を見いだせる」。その姿勢こそ、一流のプロフェッショナルだ。
「カナスム」からのお知らせ
「カナスム」では、大手住宅メーカー8社のうち希望する複数社に、一度にまとめて設計プラン作成を申し込めるサービスを実施しています。土地をお持ちでなくても申し込み可能です。家づくりについてお考えの方は、ぜひこの機会にご利用ください。