8社の実例集をまとめて申し込み 8社の実例集をまとめて申し込み

家と税金⑯

「住宅購入時に掛かる税金(応用編)」

 

 土地建物を購入する場合は、「土地建物売買契約書」を締結します。住宅をハウスメーカーに発注する場合には「工事請負契約書」を取り交わします。これらの契約書には、その契約書に記載された金額(記載金額)に応じた収入印紙を貼付する必要が生じます。なお、令和4年3月31日までに作成された不動産の譲渡に関する契約書と建設工事の請負に係る契約に基づき作成されるものについては一定の軽減措置が講じられています。

 過去のコラムにおいて、建物の売買や注文住宅の発注に関しては、消費税の課税取引に該当する旨を説明してきました。したがって土地建物売買契約書・工事請負契約書に記載された契約金額は、消費税及び地方消費税(以下「消費税額等」と言います)を含んだ金額になります。この消費税額等を含んだ契約金額の記載の仕方によっては貼付する収入印紙の金額に違いが生じます。それでは具体的な例を挙げて説明いたします。

 ハウスメーカーに税抜請負金額1,000万円の工事を発注した場合、消費税額等を含んだ契約金額は1,100万円となります。工事請負契約書に「請負金額1,100万円うち消費税額等100万円」と記載したとします。このように消費税額等が区分記載されているとき、消費税額等が容易に計算できるときは、その消費税額等の金額は、契約書の記載金額に含めないこととされていますので契約書の記載金額は1,000万円となり、記載金額が1,000万円以下の請負契約書として5,000円の収入印紙を貼付する必要が生じます。

 一方「請負金額1,100万円(税込)」のように消費税額等の金額が明らかでない時は消費税額等を含んだ1,100万円が契約書の記載金額となります。この場合は、記載金額が5,000万円以下の契約書として10,000円の収入印紙を貼付する必要が生じます。

 契約金額に含まれる、消費税額等の金額を区分記載するか、容易に計算できるか否かによって契約書に貼付する収入印紙の金額に違いが生じますので注意が必要と思われます。

ご不明な点がございましたら、税理士までご確認ください。

(東京地方税理士会 税理士 鈴木淳)