
家と税金㊻
バリアフリー改修工事に係る税額控除
次に該当する個人が、自己が所有している居住用家屋に高齢者等居住改修工事等(バリアフリー工事)を行った場合には、一定の要件を満たせば一定の金額をその年の所得税から控除することができます。
この制度の適用対象者は、バリアフリー改修工事を行う者が次のいずれかに該当する個人が対象となります。
① 50歳以上の方
② 介護保険法に規定する要介護または要支援の認定を受けている方
③ 所得税法上の障害者である方
④ 65歳以上の親族、または②及び③に該当する親族と同居を常況している方
対象となるバリアフリー工事は、高齢者等が自立した日常生活を営むのに必要な建物の構造設備の基準に合わせるための修繕または改修工事で次のような工事が対象となります。
① 介助用の車椅子で容易に移動するために通路や出入り口の幅を拡張する工事
② 浴室やトイレの改修工事で介助を容易におこなうために床面積を増加させる工事
③ 浴室やトイレ、居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事や床の段差を解消する工事や床の材質を滑りにくいものに取り換える工事
などの工事が該当します。
その年の所得税から控除される金額は、一定のバリアフリー改修に係る標準的な工事費用相当額(上限200万円)の10%の金額です。
この税額控除の適用を受けるためにはバリアフリー改修工事に係る標準的な費用の額が50万円を超えるものであることなどの要件もあり、また確定申告時には建築士等が発行した「増改築等工事証明書」の添付が必要となるなどの規定もありますので工事発注にあたってはハウスメーカー様との入念な打ち合わせが必要と思われます。
適用条件や確定申告の手続きについてご不明な点がございましたら、税理士までご相談ください。
(東京地方税理士会 税理士 鈴木 淳)