家と税金㉔
低炭素住宅を購入した場合の税の優遇措置
先月のコラムにてご説明いたしました「長期優良住宅」と同じく良い家に長く住むという考えに基づく住居に「低炭素住宅」があります。低炭素住宅に認定された住宅を購入した場合には一層の税制面での優遇措置があります。
低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出を抑えるための対策が取られた、地球環境にやさしい住宅のことで、都道府県または市・区から認定を受けた住宅です。
認定を受けるためには次の要件を満たす必要があります。
① 省エネルギー基準を超える省エネルギー性能を備えていること、かつ低炭素化促進のための対策が取られていること。
② 都市の低炭素化促進のための基本方針に照らして適切であること。
③ 資金計画が適切であること。
さらに①については、定量的評価項目と選択的項目に分かれています。定量的評価項目とは認定のためにクリアすべき必須基準であり、外皮の熱性能と一次エネルギーの消費についての基準です。選択的項目では、住宅の低炭素化のための節水対策・ヒートアイランド対策等の措置のうちから2つ以上を選択する必要があります。
これらの要件を満たした認定低炭素住宅の所有権の保存登記等の申請時に次の要件を満たしていれば、下記の登録免許税の税率軽減を受けることができます。
① その者が主として住居の用に供する家屋であること。
② 住宅の新築または引渡しから1年以内に登記すること。
③ 床面積が50㎡以上であること。
④ 住宅用家屋証明書を取得していること。
⑤ 低炭素建築物新築等計画の認定通知書を取得していること。
そのほか認定低炭素住宅に対する税の優遇措置は、所得税の住宅借入金等特別控除における借入限度額の増額があります。
詳細及びご不明な点がございましたら、税理士までご確認ください。
(東京地方税理士会 鈴木 淳)